「天寧寺」額縁門 |
天寧寺(てんねいじ)由緒
寺 号 萬松山(ばんしょうざん)天寧寺(てんねいじ)
宗 旨 曹洞宗
御本尊 阿弥陀如来像(仏師春日作)
創 建 文安4年(1447年)
開 山 蘆名氏11代当主蘆名盛信(あしなもりのぶ)が会津若松に開山
宗 旨 曹洞宗
御本尊 阿弥陀如来像(仏師春日作)
創 建 文安4年(1447年)
開 山 蘆名氏11代当主蘆名盛信(あしなもりのぶ)が会津若松に開山
勧 請 傑堂能勝(けつどうのうしょう・楠木正成の孫)
移転年 天正年間(1573年~1592年)
移 転 会津天寧寺十世・祥山曇吉(しょうざんうんきち)
所在地 京都市北区寺町鞍馬口下ル天寧寺門前町301
移転年 天正年間(1573年~1592年)
移 転 会津天寧寺十世・祥山曇吉(しょうざんうんきち)
所在地 京都市北区寺町鞍馬口下ル天寧寺門前町301
「天寧寺」山門(額縁門) |
室町時代中期の文安4年(1447年)、奥州で伊達氏と並び称される有力大名であった蘆名氏の第11代当主「蘆名盛信(あしなもりのぶ)」が、会津黒川(現在の会津若松市)に「傑堂能勝(けつどうのうしょう・楠木正成の孫)」を招いて勧請し、曹洞宗の寺院「天寧寺(てんねいじ)」を開山しました。
その後、安土桃山時代の天正18年(1589年)、時の当主蘆名氏の蘆名義広は、摺上原(すりあげはら)の戦いの大敗で米沢の「伊達政宗」によって会津黒川を追われ、「天寧寺」もこの戦いで焼失しました。
この戦いの中、第10世「天寧寺」住職「祥山曇吉(しょうざんうんきち)」は、ご本尊の「阿弥陀如来像」を担いで京都に逃れ、天台宗の寺院「松陰坊」の遺跡であったこの地に、仮の堂を建てて「天寧寺」を移しました。
「天寧寺」山門前の松陰坊遺跡の石標 |
その後は上杉家の家老「直江兼続」や初代京都所司代「板倉勝重」らによって、堂宇は再建・再興され守られてきました。
なお、会津若松の「天寧寺」も再建され、蘆名義広が移り住んだ出羽郡角館(秋田県)にも「天寧寺」が建立されていますので、同名の「萬松山天寧寺」は3箇所あります。
江戸時代の天明8年(1788年)、京都の市中の大半を焼き尽くした「天明の大火」により、堂宇は焼失しましたが、本堂は文化7年(1810年)に上棟され、書院は弘化2年(1845年)、山門は安政4年(1857年)に建築・再建されました。
本堂・書院・表門 |
鐘楼 |
庫裏 |
明智光秀の位牌
境内の一画の九重の石塔に「明智光秀公報恩塔」と刻まれた石標が立っています。
そして、その石標の側面には
「平成十一年本堂修復工事の際須弥壇の屋根裏から明智光秀公の位牌が発見された。天正年間と伝えられる会津天寧寺の上洛に係わる報恩のためか。」
と刻まれています。
明智光秀公報恩塔 |
明智光秀公報恩塔石標の側面の刻字 |
「光秀」の位牌は公開されていないということで、その戒名は「明智日向守秀獄宗光居士」です。位牌は江戸時代に作られたものだそうで、「光秀」と「天寧寺」の関係は明確ではありませんが、義理堅い「光秀」が会津天寧寺の上洛の際に力を尽くしたのではないでしょうか。
なお、「光秀」の位牌は岐阜県可児市の天龍寺や、滋賀県大津市の盛安寺など様々なところに安置されていて、それぞれ戒名も異なります。
観音堂
境内の一画に「観音堂」があります。「観音堂」には江戸時代初期の第108代「後水尾天皇」が念持仏としていた「十一面観世音菩薩像」と、後水尾天皇の中宮の「東福門院(徳川和子・徳川家康の内孫)」が念持仏としていた「釈迦如来像」が安置されています。
観音堂 |
中央「十一面観世音菩薩像」右「釈迦如来像」 |
天下泰平の象徴・諫鼓鶏の石灯篭
本堂前のカヤの大木の前に「諫鼓鶏(かんこどり)の石灯篭」が鎮座しています。
「諫鼓鶏」とは、「諫鼓苔深くして鶏鳴かず」という漢詩に由来して、天下泰平の象徴とされています。「諫鼓鶏」は、比叡山を向いて立っています。
諫鼓鶏の石灯篭 |
比叡山を眺める諫鼓鶏(左) |
茶人「金森宗和」の墓
墓所には、江戸時代前期の茶人「金森宗和(かなもりそうわ)」の墓があります。
「宗和」は、飛騨高山城主「金森可重」の長男として生まれましたが、所領の件で父から勘当され、母と共に京に入り、大徳寺に参禅して「宗和」の号を得ました。
茶風は上品で、「姫宗和」と呼ばれました。
枝垂桜
本堂の前の石庭、鐘楼前他に枝垂桜が植えられており、花の時期には楽しませてくれます。
本堂前の枝垂桜 |
鐘楼前の枝垂桜 |
「天寧寺」は、比叡山を借景にして四季折々の景色を楽しめる寺院です。大河ドラマで一躍脚光を浴びている「明智光秀」にも所縁もあります。是非訪れてみてください。
境内拝観は自由です。
参拝者用駐車場8台程度
アクセス
京都市営地下鉄烏丸線「鞍馬口駅」下車 徒歩5分
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