2020年4月23日木曜日

働く女性の守り神「折上稲荷神社」境内にはご利益めぐりの稲荷塚も【京都山科】

京都市山科区中臣町の「折上稲荷神社(おりがみいなりじんじゃ)」は、「働く女性の守り神」として商売繁盛祈願など働く女性の崇敬を集め、多くの女性社長やOLが参詣に訪れ参拝者の90%が女性だそうです。女優や女性芸能人、女性タレントなどもお忍びで参拝しているということです。境内には「一生お金に困らない」などの様々なご利益が授かるご利益のデパートのような「稲荷塚」もあります。


折上稲荷神社(おりがみいなりじんじゃ)御由緒 

名 称
折上稲荷神社(おりがみいなりじんじゃ)

御祭神 
倉稲魂神(うかのみたまのかみ・女神・食物の神・稲荷神)
保食神(うけもちのかみ・女神・食物の神・農業穀物の神)
稚産霊神(わくむすびのかみ・五穀の神・養蚕の神)

創 基
和同4年(711年)

境内社(摂社・末社)
・稲荷塚に27の稲荷社他
・三九郎稲荷神社
・札ノ辻大明神
・白弁財尊天

境外末社
・朝日神社

御神紋
抱き稲の紋

例大祭
・例祭:4月18日
・三九郎祭:3月9日、9月3日
・折上稲荷祭:6月第一日曜日

ご利益
・女性の仕事運向上・開運など「働く女性のご利益」、女性の良縁・玉の輿
・稲荷塚では宝くじ・賭け事・株投資など多くのご利益が期待できます

所在地
京都市山科区西野山中臣町25番地

本殿
江戸時代末期の弘化3年(1846年)、第121代「孝明天皇」即位の時、側に仕えていた多くの女官が次々に病気になりました。この時病気平癒の祈祷を命ぜられたのは、御祭神が「女神」のここ「折上稲荷神社(おりがみいなりじんじゃ)」でした。この命を受けた神主の必死の祈祷の結果、女官たちは奇跡的に平癒しました。女官たちは喜び「折上稲荷様のご利益は折り紙付き」とダジャレも込めて言われるようになりました。そして即位した「孝明天皇」は、今後も女官たちが元気で働いてくれるようにとの願いを込めて「長命箸(ちょうめいばし)」を「折上稲荷神社」に奉納しました。

以来、「折上稲荷神社」は「働く女性の守り神」として厚く崇敬されることとなりました。また京の女性の名を世界的に広めた「モルガンお雪」など多くの女性から厚く信仰され、女性の商売繁盛祈願の神社として有名になりました。現在では、女性社長や女性起業家からOLなど幅広い層の女性が参拝に訪れ、なんと参拝者の90%は女性の方だそうです。有名女優や女性芸能人、女性タレントもお忍びで参拝されているとのことです。

モルガンお雪 資料画像(Wikipedia)
「モルガンお雪」は、京都祇園の芸妓で、「アメリカの大富豪J.P.モルガン(アメリカの5大財閥の一つ)の甥ジョージ・デニソン・モルガン」に見初められ結婚してアメリカに渡りました。その後夫が心臓麻痺で死亡、裁判の末莫大な遺産を得ましたが、米国籍を剥奪され無国籍となりましたが、フランスに渡り悠々自適の生活を送りました。

「折上稲荷神社」の「稲荷塚」の参道に、「モルガンお雪」の姉が奉納した鳥居「加藤桜稲吉(かとうろういなきち)」があります。また、「モルガンお雪」は「稲荷塚」の「ひょうたん大神」に特に熱心に参拝したとも云われています。このことから、「折上稲荷神社」にお参りすれば「モルガンお雪」にあやかって「玉の輿」のご利益に授かると云われています。

加藤桜稲吉の鳥居と中臣群衆墳跡の標識(左下)

稲荷塚

「稲荷塚」には、「ご利益のデパート」のように様々なご利益を授けていただける社や事物が多数鎮座しています。

「折上稲荷神社」境内の京都市史跡「中臣群墳跡」「中臣十三塚古墳群」の一つで「稲荷塚(いなりづか)」と呼ばれ、約1500年前の6世紀末から7世紀前半に造られた古墳です。ここには稲荷神の前身の祖先神(田の神)がお祀りされていた聖地であると伝えられています。


和同4年(711年)、「折上稲荷神社」の西南西方向にそびえる西野山の三の峰に稲荷神が降りられたのと同時に、「折上稲荷神社」境内にある「稲荷塚」にも降りられたとされ、「伏見稲荷」の稲荷山の奥にあることから「伏見稲荷大社の奥宮」として創建されたと云われています。また「伏見稲荷大社」とともに最古の稲荷神社とも云われています。
(最古の稲荷神社は京都市南区の西寺跡公園の一画にある「兼達稲荷神社」とも云われていますが、ほんとうのところどちらが最古かは不明です)

「伏見稲荷大社」と「折上稲荷神社」は、世界でも多くみられる「レイライン(聖地と聖地が一直線上で結ばれる)」で結ばれていることから、「伏見稲荷の奥の宮」と呼ばれ、より強いご利益が得られるとも云われています。

「稲荷塚」は円形の墳墓跡(円墳)で、稲荷神が降りられてから様々な御神徳が現れ、「稲荷塚」の円周上にはいろいろなご利益が授けられる社や事物が並んでいます。神社には「稲荷塚ご利益めぐり」と題した案内絵地図が無料で置かれていますので、これを見ながら稲荷塚をめぐって、多くのご利益を授かることにしましょう。

稲荷塚ご利益めぐり
それでは「稲荷塚」のご利益めぐりをスタートしましょう。番号は案内地図の番号にリンクします。

五社大明神

ご利益:子孫繁栄・家内安全

稲荷塚頂上正面の「五社大明神」

泰吉(たいよし)大神

ご利益:家内安全

泰吉大神
小利子(おりこ)さん

ご利益:子供の真っ直ぐな成長、健康、悪心を直す

神社飛び地にお地蔵さんと一緒に鎮まっていた神木で、道路整備のためこの神木にノコギリを入れた業者が病になり後、丁重なお祓いにより移転し、お祀りしています。当時のノコギリの跡が今も残っています。

金森大明神

ご利益:女性のお客を呼び寄せる

福一・富士春・春崎・玉光・玉重大神

ご利益:男性のお客を呼び寄せる・悪縁を断ち切る

荒御霊(あらみたま)の神木

ご利益:どん底から這い上がる・立ち直る

8つの枝が1つの幹から出ており、参る方向で7つにも見えることから、「七転び八起」の神木と云われています。

右から小利子さん、金森大明神
玉重・玉光・春崎・富士春・福一大神、荒御霊の神木
稲荷大神

ご利益:病気平癒・健康・家内安全

稲荷大神
菊一・折若・折光・折繁大明神

ご利益:目上の引き立てを得る・評判向上

右から菊一・折若・折光・折繁大明神
ひょうたん大神

ご利益:女性の出世・玉の輿・良縁

「モルガンお雪」が特に熱心に参拝していました。「ひょうたん」のお守りがあります。

ひょうたん大神

②⑪「樫の大木」と「お稲荷さんの授け脳」

ご利益:お告げの木・健康な脳を得る・ストレスを溜めない

参道の階段を上がってすぐの右側にある、樫の大木でお告げをいただき、その根元の人間の脳にそっくりな木のコブを撫でて、ストレスを除けたり創造力を増やしたり自分の脳を活性化しましょう。

「樫の大木」と「お稲荷さんの授け脳」
一心大明神

ご利益:永年の願いを叶える

一心大明神
兵吉大神

ご利益:医者いらずの神

兵吉という翁が98歳まで医者いらずで元気に人生を全うしたためお祀りされました。

花丸大明神

ご利益:花丸大明神は成功者となる・試験合格

左「兵吉大神」右の角柱「花丸大明神」
花房大明神

ご利益:家業繁栄

花房大明神
飛塚大神

ご利益:女の思いを男性に知らせる

三吉大明神

ご利益:禍を福に転ずる・凶運を吉運とする

光時(ひかりのとき)大明神

ご利益:眼病を治す

左から「飛塚大神」「三吉大明神」「光時大明神」
春吉大明神

ご利益:耳の健康

三一郎爾(に)大神

ご利益:足・腰の痛みを取る

左から「春吉大明神」「三一郎爾大神」
腰掛け石

ご利益:女性の心が穏やかになる・不安を取り除く

江戸時代末期、「長橋局(ながはしのつぼね・江戸末期の宮中女官)」が一服された石で、「モルガンお雪」も座りご利益を得ました。

腰掛け石
裏参りの御座

ご利益:一生お金に困らない

江戸時代、「稲荷塚」の裏も熱心にお参りして成功を収めた人が、ご利益を独り占めしようと柵をして他の参拝者がお参りできないようにしました。後にその人は罰があたり一文無しになってしまいました。そこで悔い改めて柵を取って参拝者に裏参りを勧めたところ、多くの参拝者が成功を収め、お金に困らず、また本人も再び成功を収めることができたということです。

裏参りの御座
災害盾の石

ご利益:災害に遭わない・九死に一生を得る

昭和9年(1934年)、室戸台風で本殿が崩壊しましたが、この石が盾となって御神体は無事でした。当時の神主が災害除けの縁起のよい石として祀ったものです。

災害盾の石
宝大神

ご利益:宝くじ・賭け事当選・株上昇

お守りもあります。

金物大明神

ご利益:金神の守護を受ける

左から「宝大神」「金森大明神」
白玉大明神

ご利益:安産・子授け

瓢助大神

ご利益:人の助けを受ける・人に恵まれる

元禄花見踊りを作曲した「竹柴瓢助」を祀っていると云われています。

中央角柱「白玉大明神」右「瓢助大神」
いかがでしたか。全てお参りするもよし、自分に合ったご利益の神様をチョイスしてお参りするもよし、信じるか信じないかはあなた次第です。


「折神稲荷神社」には、他にも境内社があり、ご利益が授けられます。

三九郎稲荷神社

「折上稲荷大神」が、この地に降り立った際、お使いとして先導した白きつね三頭をお祀りしており、苦労してやっとこの地にたどり着いたことから、三頭の苦労した稲荷きつね
(三苦労稲荷)と云われています。(ダジャレです)

ご利益:人間が生きる上での三大苦労(人間関係・健康・お金)を除いてくださる

三九郎稲荷神社参道
三九郎稲荷神社

白弁財尊天・札辻大明神

「折上稲荷大神」御降臨の際に先導した白きつねにちなんで「白弁財尊天」が祀られているのでしょうか。「札辻大明神」は産土神でしょうか。

ご利益:金運・財運・技芸上達

白弁財尊天・札辻大明神

授かり物

稲荷きつね折り上げ守り

「折上稲荷神社」の代表的な授かり物は、「稲荷きつね折り上げ守り」です。お稲荷さんのお使いのきつねを一枚の神で折り上げたお守りです。

金のおきつね(商売繁盛・金運・仕事運) 1500円(送料込み)

銀のおきつね(開運・良縁・災難除け)  1500円(送料込み)

節分おきつね(災難厄除け・節分期間のみ)1800円(送料込み)

稲荷祭おきつね(何倍もの全てのご利益) 1800円(送料込み)

モルガンお雪ひょうたん守り (女性の玉の輿・出世) 1100円(送料込み)

株・宝くじ・賭け事守り   700円(送料込み)


手水舎と桜

手水舎の横に桜の木があり、春には花を楽しませてくれます。

手水舎
手水舎の横の桜

「働く女性の守り神」の「折上稲荷神社」は、ご利益のオンパレードでした。「信じるか信じないかはあなた次第」ですが、心の癒しとして信じることで前向きになれるのであれば、信じてお参りしてもよいのではないでしょうか。

ただし、令和2年の今は新型コロナウィルスの関係で、外出自粛が要請されていますので、現地に行かずにネット上でお社の写真に向かってお参りしても、心の広い神様はご利益を授けていただけるのではないでしょうか。

アクセス
京都市営地下鉄東西線椥辻駅下車 徒歩にて15分


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