2020年3月22日日曜日

滋賀県野洲市の「御上神社」は「近江富士 三上山」をご神体として祀ります

名神高速道路を京都方面から名古屋方面に向かって走行し、栗東インターチェンジを過ぎてしばらくすると左手に、富士山に似た形の良い山が見えてきます。「近江富士」とも呼ばれる「三上山(みかみやま)」です。滋賀県野洲市の「御上神社(みかみじんじゃ)」は、近江富士「三上山」をご神体としてお祀りする由緒ある神社です。

楼門
御上神社(みかみじんじゃ)由緒 

名 称
御上神社(みかみじんじゃ)

御祭神 
天之御影命(あめのみかげのみこと)
※天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫で、天津彦根命(あまつひこねのみこと)の子。製鉄・鍛冶の神の天目一箇神(あめのまひとつのかみ)と同一神で、日本第二の忌火(いみび)の神とされています。

創 基
孝霊天皇6年(紀元前285年) 第7代孝霊天皇の御代(古事記の時代)

奥 宮
富士山に似た山体から「近江富士」の別名のある「三上山(標高432m)」山頂に奥宮が鎮座し、奥宮前には磐座(いわくら)が残っています。
御祭神:天之御影命(あめのみかげのみこと)

御上神社前の国道から見た三上山(中央)
境内摂社
若宮神社(わかみやじんじゃ)
御祭神:伊弉諾命(いざなぎのみと)・菅原道真命(すがわらみちざねのみこと)
配 神:天之御桙神(あめのひぼこのかみ)・野槌大神(のづちのおおかみ)

境内末社
三宮神社(さんのみやじんじゃ)
御祭神:瓊瓊杵命(ににぎのみこと)

大神宮社(だいじんぐうしゃ)
御祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)

御鍵取神社(おかぎとりじんじゃ)
御祭神:天津彦根神(あまつひこねのかみ)・猿田彦神(さるたひこのかみ)

愛宕神社(あたごじんじゃ)
御祭神:火産霊神(ほふすびのかみ)

竈殿神社(へついどの神社)
御祭神:火産霊神(ほふすびのかみ)

御神紋
釘抜紋

春季例大祭
5月第三日曜日

秋季古例祭(ずいき祭)
10月体育の日

所在地
滋賀県野洲市三上838

ご利益
火災除け、金工・鍛冶繁栄、産業繁栄、開運悪魔除け

「御上神社」は、古来より「御上神社」または「三上大明神」と称し、秀麗な姿の「三上山」を古より神体山として崇めています。

「三上山」は決して高い山ではありませんが(標高432m)、青々とした美林は神の山にふさわしく、遠くから見ると円錐形の富士山に似た孤峰に見えますが、男山・女山の2つの峯から成り、山頂には巨石の磐座があり、奥宮の祠が祀られています。その秀麗な姿から「近江富士」と称され、「俵藤太」の百足退治の伝説から「百足山」とも呼ばれています。

社記によりますと、「第7代孝霊天皇の御代(古事記の時代)」の孝霊天皇6年(紀元前285年)6月18日、「三上山」山頂に御祭神の「天之御影神」が降臨し、その後約一千年の間、御上祝(みかみのはふり・神主)等が三上山を神体山として祀ったのを始まりと伝えられています。三上山ふもと付近の発掘調査で銅鐸24個が発見されており、また5~6世紀の古墳群があり、三上山付近では古来より祭祀が行われていたと考えられています。

三上山参道入り口
三上山登山道入り口の妙見宮(左の建物)
その後、奈良時代初期の天正天皇の御代の養老2年(718年)、「藤原不比等(ふじわらのふひと)」が勅命によって、遥拝所のあった三上山山麓の現在地に社殿が造営されました。

本殿
平安中期の「清和天皇」の御代には「正一位」、同じく平安中期の「醍醐天皇」の御代に「明神大社」、同じく平安中期の「円融天皇」の御代には「勅願所」と定められ、「四海大平の祈願」が行われました。

古代から中世にかけては、三上山山頂に「東光寺」があったとされています。数多くの伽藍・堂舎の姿が「三上古跡図」に描かれています。

その後も、武家執政の世にあっても、「源頼朝」をはじめ「徳川幕府」に至るまで崇敬深く神領を寄進しました。


御神徳

御祭神の「天之御影神」は、霊験あらたかで、「忌火神」「金工鍛冶神」「産業神」「開運悪魔除けの神」として信仰され、この地方は「神体山三上山」を中心に「忌火郷」、「悠紀郷」、「百足退治」の神話で有名です。


本 殿

桁行3間、梁間3間、一重、入母屋造、向拝1間、檜皮葺の本殿は、建立年代は明らかではありませんが、様式手法などから見て鎌倉後期の建立とされています。「入母屋造」、「漆喰壁」、「連子窓」など仏堂的要素が融合した神社建築で、簡素であるが優れた形をしていると評価されています。昭和27年「国宝」に指定されています。

本 殿
本殿の向拝
本 殿

拝 殿

桁行3間、梁間3間、一重、入母屋造、向拝1間、檜皮葺で、本殿と似た構造です。かつての本殿を移築・改造したものと伝えられています。鎌倉時代後期の建立と伝えられています。明治32年、国の重要文化財に指定されています。

拝 殿
拝 殿

楼 門

三間一戸楼門、入母屋造、檜皮葺で、楼門は2階建で、腰組で廻縁を支え屋根は一重であって、屋根が上下二重となっている二重門とは区別されています。平安時代は神仏習合の思想が発展し、神社にも楼門が建てられるようになつたと考えられていますが、現在では、鎌倉時代以降のものしか存在しません。室町時代の造営と伝えられています。明治32年、国の重要文化財に指定されています。

楼 門
楼 門
楼門の随身像
楼門の随身像
楼門前の狛犬に毬が奉納されています

摂社若宮神社本殿

一間社流造、檜皮葺で、建立年代は明らかではありませんが、鎌倉後期のものと考えられています。昭和6年、国の重要文化財に指定されています。

若宮神社

摂社三宮神社

一間社流造、檜皮葺で、室町時代の建立です。「十禅神社」とも称されました。昭和35年、滋賀県の有形指定文化財に指定されています。

三宮神社

竈殿神社

竃殿神社

御鍵取神社

御鍵取神社

愛宕神社

愛宕神社

神輿庫

神輿庫
神輿庫の神輿

手水舎

手水舎

御神木の「すだじい(ブナ科)」

御神木

社務所

社務所
「御上神社」は、格調高い神社で荘厳なパワースポットの雰囲気を感じます。是非御参詣ください。

「三上山」は、琵琶湖の対岸からでも秀麗な姿を見せてくれます。

琵琶湖対岸の真野付近から見た三上山
アクセス
JR琵琶湖線野洲駅下車 駅南口から滋賀交通バス「北山台行」乗車 約10分「御上神社前」バス停下車徒歩3分

名神高速道路 栗東ICまたは竜王IC出口から国道8号線経由約15分 駐車場80台

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