「真如堂」は見どころたっぷりで、じっくり堪能できる寺院です。
真如堂総門(別称赤門) |
真如堂(しんにょどう)由緒
寺 号
鈴聲山(れいしょうざん)真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)
通 称
真如堂(しんにょどう)
宗 旨
天台宗
御本尊
阿弥陀如来
創建年
永観2年(984年)
開 基
戒算上人
住 所
京都市左京区浄土寺真如町82
「青もみじ」は新緑の5月から6月頃のもみじの色・景色を表わす言葉ですが、ここ「真如堂」のもみじの青は盛夏でも映えます。「本堂」や「三重塔」、その他の堂宇を背景にして鮮やかで圧倒されるようです。もう少し季節が進み秋が深まるころには、このもみじは今度は圧倒的な紅葉となるのでしょう。その頃に再び訪れて紅葉の「真如堂」を楽しみたいものです。
真如堂総門(赤門) |
正暦3年(992年)一条天皇の勅許を得て、離宮の東北にある「元真如堂(換骨堂)」の地に本堂が再建され、不断念仏の道場として念仏行者や庶民、特に女性の信仰を得てきました。しかし応仁の乱(応仁元年~文明9年・1467年~1478年)に巻き込まれ堂塔は焼失し荒廃した後、各地を転々とし、元禄6年(1693年)に東山天皇の勅によって現在地に移転し再建されました。
「本堂(重要文化財)」は江戸時代の享保2年(1717年)の上棟で、京都市内の天台宗の寺院の本堂として最大規模を誇り、内部には、本尊の「阿弥陀如来立像(重要文化財)」が祀られています。この本尊は「うなずきの弥陀」とも呼ばれ、自覚大師円仁が一刀三礼で彫ったもので、完成直前に「比叡山の修行者の本尊となりたまえ」と言って白毫(仏の眉間にあって光を放つという毛で、仏像ではこれに珠玉をちりばめる)を入れようとすると、阿弥陀像は首を三度横に振って拒否されたので、「では京の都に下って、一切衆生をお救い下さい。中でも女人等を救いたまえ」と言うと、阿弥陀像は三度頷かれたという逸話があります。「阿弥陀如来立像」は毎年11月15日にのみ開帳されます。
「真如堂」は、浄土宗の開祖の法然上人や、浄土真宗の開祖親鸞聖人などの多くの行者や人々の祈りを受け止めてきました。
残念ながら、「阿弥陀如来立像」は開帳されておらず、また本堂内での撮影は許されていませんので、本堂内の他の仏像や堂内の豪壮さをお伝えすることはできません。是非一度お参りいただいて感じて頂きたいと思います。
本堂 |
本堂の扁額 |
本堂前境内から総門 |
「菩提樹」は仏教三聖木の一つで、この木の下でお釈迦様は悟りを開かれたと云われています。「菩提」は「正しい悟りの智」を意味する「ボーディ」を音写したものです。
インドの菩提樹はクワ科ですが、真如堂はもとより日本国内の寺院に植えられている菩提樹はシナノキ科で、両者は異なる種類です。
仏教が中国に伝わった時、インドの菩提樹は中国では育たなかったので、これに似た葉を持つ中国原産のこの樹を「菩提樹」と呼ぶようにしたようです。日本へは12世紀頃もたらされたようです。
6月半ば、葉脇から散房状の集散花を下向けに出し、淡黄色の香りのよい花を咲かせます。花期は短く、花をご覧になれた方はきっとご縁があったのでしょう。
菩提樹(右側)と本堂 |
本堂廊下から中之島池 |
本堂裏面入口 |
本堂裏 |
本堂裏の青もみじ |
本堂裏の青もみじと苔 |
三重塔
「真如堂三重塔」は文化14年(1817年)に再建されました。多宝塔を祀った本瓦葺きで、高さは約30mです。三重塔と手水舎(手前) |
本堂廊下から見た三重塔 |
境内の「青もみじ」は、深秋の頃には鮮やかな紅葉に変わります。紅葉を求めて多くの観光客で境内はいっぱいになりますが、それでも境内は清澄だそうですので、ぜひ訪れてみたものです。
今回は、「真如堂」の「本堂」と「三重塔」と青もみじをご紹介しました。「真如堂」はこの他にも見どころがたっぷりあります。
アクセス
JR京都駅前から京都市バス5系統(銀閣寺・岩倉行き)乗車
JR京都駅前から京都市バス17・100系統(急行・銀閣寺行き)乗車
錦林車庫バス停下車 徒歩8分(結構急な坂道を登ります)
阪急電鉄河原町駅から京都市バス5系統(銀閣寺・岩倉行き)乗車
阪急電鉄河原町駅から京都市バス17系統(銀閣寺行き)乗車
錦林車庫バス停下車 徒歩8分(結構急な坂道を登ります)
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