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被告人 60代後半 男性
求 刑 懲役4年、罰金50万円、大麻没収、追徴金20万円
「大麻取締法違反」の裁判ですが、前回の法廷で「被告人質問」までの手続きが完了していたため、本日は「論告求刑」「弁護人最終弁論」「被告人最終陳述」までの手続きを行うこととなっています。
事件の概要
被告人は、7~8年前から大麻を購入しており、平成31年に入って計3回にわたってこれを密売人に売却したもので、大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。
平成31年度での売却価格は10万円、8万円、10万円の計28万円でした。
被告人は、1gあたり2,500円~2,000円で購入し、密売人への売却価格は1gあたり3,000円~2,500円でした。
被告人は、大麻の売買で継続的に利益を得ており、これまでに判明しているだけでも82gの大麻を売買しており、逮捕時の家宅捜索で自宅に77gの大麻を所持していたことも判明しました。
被告人は逮捕時、自宅で発見された大麻は、自己の使用を目的として所持していたもので、売買目的ではないと供述しています。
被告人はまた、自宅で大麻草を栽培しており、家宅捜索で17本の大麻草が発見され警察が押収しています。
被告人は、京都市内の老舗旅館の息子として生まれ、先代が無くなってからその経営を引き継いでいましたが、経営が傾いた状態で引き継いだため業績の回復が難しく、そのプレッシャーによるストレスから薬物に手を出したと供述しています。
被告人には、薬物の前科が4件あります。
被告人は、最近婚約しており、裁判後に正式に婚姻届けを出す予定とのことで、当日の法廷の傍聴席には婚約者と思しき女性が傍聴していました。(50歳~60歳ぐらいの女性で、ゴスロリの衣装に身を包んでおられました。)
論告求刑
論 告
被告人は常習的に大麻を売買し法外な利益を得ている。
被告人がこれまでに売買した大麻の量から想定される害悪は甚大である。
また、自宅で大麻草を栽培しており、その栽培方法は職業的である。
薬物の前科も4件あり、再犯の可能性が大きい。
求 刑
被告人に懲役4年を求刑する。
罰金50万円を課す。
所持していた大麻は、大麻草を含め没収する。
追徴金20万円を課す。
弁護人最終弁論
大麻は現在ヨーロッパでは、卸価格1gあたり1,500円が相場であり、被告人の購入価格1gあたり2,500円~2,000円は決して高いものではない。
被告人は、京都市内の老舗旅館の跡取り息子であり、経営が傾いていたプレッシャーによるストレスから薬物に手を出したものであり、情状に酌むべき点がある。
被告人は最近婚約しており、この後婚姻届けを出す予定で、新たな家庭生活の中で再犯の可能性はない。
薬物依存症について、この事件を契機に夫婦で医療機関を受診して薬物を絶つべく治療を開始しようとしている。
被告人が前期高齢者であることも考慮して、執行猶予付きの判決をお願いしたい。また罰金や追徴金についても、出来るだけ低額でお願いしたい。
被告人最終陳述
皆さんに迷惑をかけて誠に申し訳ありません。
それだけです。
裁判の向う側
60歳も過ぎたいい年をしたおじいさんが何をやっているんでしょうね。老舗の跡取り息子とはあきれ返ります。誰か止める人はいなかったのでしょうか。身近な人がいれば止めさせることができたでしょうが。
下衆な言い方ですが、「ぼんぼん」のなれの果てでしょう。
今はインバウンドで圧倒的に宿が不足している京都で、経営の立て直しが難しいというのは、本気で老舗を建て直すという意識がなかったからではないでしょうか。
再婚した女性がしっかりと老舗旅館を建て直して、被告人を更生させてくれることに期待したいと思います。
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