2019年5月22日水曜日

【裁判傍聴記】大麻の売人はツイッターで探しました

被告人は20才の女性です。被告人は18才頃から約2年大麻を使用し続け、多いときは週に2~3回使っていました。被告人は、大麻は共犯者と一緒に大阪の西成に買いに行っていました。また、大麻の売人はツイッターで探したと供述しています。

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資料画像(by Pixabay)

罪 状 大麻取締法違反
被告人 B 20才 女性
求 刑 懲役6月 大麻2袋没収


 審理の概要 

当日の法廷は、被告人が2名、いずれも20代前半の男Aと女Bの1名ずつです。

両名ともに、大麻取締法違反での審理の予定でしたが、前回の審理以降に被告人Aに追起訴があり、そちらを先行して審理することとなりました。

最初に男性被告人Aには、2件の追起訴があることが告げられ、そのうち1件についての審理が始まりました。

【起訴状の内容】

平成30年6月×日、被告人Aは、共犯者と共謀してスーパーの営業中に、電化製品売り場からエアコンの室内機と除湿器を持ち出し、リサイクルショップに売り払うという大胆な犯行です。

リサイクルショップでは除湿器は売れましたが、エアコンは室内機だけでは引き取れないと言われましたので、翌日再度営業中のスーパーに行き、室外機を持ち出しましたが店員に呼び止められ室外機を捨てて逃走しました。

結局、エアコンは鉄屑として売却しましたが、この時に書いた「買取承諾書」と防犯カメラの映像の捜査から逮捕されました。

被告人Aは、4月と5月にも同様の犯行を繰り返していました。

被告人Aの審理は、次回はもう1件の追起訴の審理を含め行うということで、当日の審理は打ち切られました。

続いて、被告人Bの審理に入りました。

検察官の起訴状の朗読は前回の法定であり、私は傍聴できませんでしたので、逮捕のきっかけや、被告人の情状は分かりませんので、当日の被告人質問から分かったことは、次のとおりです。

●被告人は実家を出て転々としていましたが、途中から被告人Aと同棲していました。
●実家には、両親と兄が住んでいます。
●被告人は2年前から大麻を所持・使用していました。
●今回、被告人Bと一緒に大麻所持・使用で逮捕されましたが、被告人Bが被告人Aに大麻をすすめたわけではなく、いつとはなく一緒に吸っていました。

なお、当日の法廷の傍聴席には、被告人Bの仲間と思しき若い女性2名が最前列の席に座っていました。


 被告人質問 

弁護人
大麻を所持したり使用することが何故だめなのか分かりますか。
被告人
分かりません。

弁護人
大麻を何故使用しましたか。
被告人
自分の感情をコントロールするために使いました。大麻を吸うと全て忘れられるからです。

弁護人
大麻はいつごろから使い、使用頻度はどのようなものですか。
被告人
18才頃から使用しました。いままで2年ほど使っていますが、多いときは週に2~3回使っていました。

弁護人
大麻をやめようと思いませんでしたか。
被告人
1回思いましたが、他に感情をコントロールする方法が見つけられませんでした。

弁護人
今後はどうしますか。
被告人
やりません。

弁護人
どうすればやめられますか。
被告人
家族や友達に相談します。今までは相談しませんでした。

弁護人
社会復帰後はどうしますか。
被告人
実家に帰ります。実家の父・母・兄も帰ってきても良いと言ってくれています。

弁護人
仕事はどうしますか。
被告人
建築関係の仕事、屋根屋の仕事をします。

弁護人
大麻は被告人Aと一緒に持っていましたが、今後被告人Aとの関係はどうしますか。
被告人
よく考えて付き合います。

弁護人
最後に今後どうしたいか、言ってください。
被告人
薬物からは縁を切ろうと思っています。


検察官
感情をコントロールする方法は他になかったのですか。
被告人
ありません。

検察官
家族が面会に来たことはありますか。
被告人
あります。その時に実家に帰るという話をしました。

検察官
被告人Aは、あなたと知り合ってから大麻を吸ったと言っていますが。
被告人
大麻をすすめたことはありません。

検察官
被告人Aは、大麻は西成へ一緒に買いに行ったと言っています。売人はツイッターで探したと言っていますが、ツイッターで探せましたか。
被告人
ツイッターで探せました。

検察官
社会復帰後、被告人Aとは別居するのですか。
被告人
被告人Aと会ってから相談します。

検察官
大麻が何故だめなのか、先ほどあなたは分からないと言いましたが、大麻はあなたの身体をダメにするんですよ。今後大麻を所持しませんか。
被告人
しません。(きょとんとして)


裁判長
気持ちが落ち込むことがあるのですか。
被告人
思い込みが激しいのです。ついマイナス思考になります。

裁判長
被告人Aとは話をしなかったのか。
被告人
していません。

裁判長
被告人Aと同棲するまではどうしていたのですか。
被告人
転々としていました。
今後廻りを悲しませたくないと思っています。


 論告求刑 

懲役6月 大麻2袋没収


 弁護人最終弁論 

被告人は反省しており、今後は実家で家族の指導・監督の下で生活すると陳述しています。また、若年でもあり、これまでに3ケ月間の未決勾留で既に罰を受けています。
執行猶予付きの寛大な判決をお願いします。


 被告人最終陳述 

裁判長が、審理終結にあたり被告人に「最後に何か言っておきたいことはないか」と促したところ

被告人 「大丈夫です。」


 裁判の向う側 

ツイッターで簡単に大麻の売人にで接触できるという話に驚きました。SNSの世界はここまで来たのかというのを実感として感じました。

売人はお金さえ手にはいれば、相手が「18才未満だからダメ」ということは言わないでしようから、お金さえあれば、子供でもSNSを使って簡単に薬物が手に入れられる世の中になったのですね。日本はそう簡単には中国のようにネット監視やネット規制を掛けられないでしようから、今後は益々今回のように犯罪が低年齢化していくのでしようね。

被告人は、問われても何故大麻使用がダメなのか、答えられませんでした。分かりませんと言いました。これでは再犯しないと言い切れないでしょうね。

被告人は手錠されたまま刑務官に連れられて、法廷に入ってくる際、傍聴席の2人の女の子を見つけると笑っていました。次に入ってきた被告人Aも女の子2人を見つけると笑っていました。
いかにも軽いですね。罪の意識はあるのでしょうか。

判決は1週間後です。

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