2019年5月21日火曜日

【裁判傍聴記】検察官の求刑はゆるい

被告人は、タンクローリー車を運転して高速道路を走行していたが、途中から居眠運転を始めた。その後居眠運転を継続した結果、路側帯で停車中の被害車両に衝突して、被害車両に乗車していた被害者4名に全治96日~113日の重傷を負わせたものです。
被告人が運転者として当然果たすべき注意義務を果たさなかった結果、被害者4名に重症を負わせたものであり、責任は重大です。

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資料画像(by Pixabay)

罪 状 過失運転致傷
被告人 50代前半 男性
求 刑 禁固1年2月 
判 決 禁固1年6月 執行猶予3年


 判 決 

主 文
禁固1年6月 執行猶予3年

理 由
被告人は、タンクローリー車を運転して高速道路を走行していましたが、途中から居眠運転を始めました。その後居眠運転を継続した結果、路側帯で停車中の被害車両に衝突して、被害車両に乗車していた被害者4名に全治96日~113日の重傷を負わせたものです。

被告人が運転者として当然果たすべき注意義務を果たさなかった結果、被害者4名に重症を負わせたものであり、責任は重大です。

裁判長は、判決言い渡しの後、検察官に対して、検察官が求刑した禁固1年2月はゆるい
とたしなめました。また、タンクローリーの会社側に対しても、被告人が居眠運転をしたのは、タンクローリーを運行していた会社側の運行管理にも責任があるとして会社側の責任にも言及しました。


 裁判の向う側 

裁判長が判決で、検察官の求刑よりも重い量刑を言い渡たすのを聞いたのは、初めてでした。判決の言い渡し後に検察官をたしなめるのも初めて聞きました。
被害者が重傷4名という重大な結果ですので、危険運転と判断できないかとも感じましたので、裁判長の発言も納得できるとも思います。

また、判決言い渡し後ではありますが、会社側の運行管理にも責任があるとして会社側の責任にも言及したのも画期的かなとも感じました。

2016年の長野県のスキーバス転落事故で多くの死傷者を出したのは記憶に新しいです。営業車の運行管理をしている会社は、運行責任をしっかりと認識してほしいものです。

今回の事件は、今後の損害賠償で会社側の責任がどのように問われるのか注目されるところですが、我々は知る由もありませんが。

東名高速道路での煽り事件が世間の話題になって、裁判所もこの種の事件に神経を使っているのかなとも感じました。

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