1件目
罪 状 窃盗
被告人 50代後半 男性
判 決 懲役1年4月 未決勾留日数20日算入 訴訟費用の負担なし
2件目
罪 状 窃盗
被告人 60代前半 男性
罪 状 窃盗
被告人 50代後半 男性
判 決 懲役1年4月 未決勾留日数20日算入 訴訟費用の負担なし
2件目
罪 状 窃盗
被告人 60代前半 男性
判 決 懲役1年4月 未決勾留日数30日算入 訴訟費用の負担なし
公 判
1件目
事件の概要
平成30年12月×日午前9時頃、被告人はコンビニに入店し歯磨き他計3点1100円を上着の内側に入れてレジに行き、タバコのみお金を支払い店を出ました。コンビニの店員は被告人が商品を上着の内側に入れるところを確認していましたので、被告人が店を出たところで声を掛けました。被告人が万引きを認めたため警察に通報し、駆け付けた警察官によって窃盗の現行犯で逮捕されました。
被告人は、同種前科(万引き)が2件あり、犯行当日は前刑で服役していた刑務所から出所して、近くに住む姉を訪ねている途中でした。
被告人は当日、刑務所の刑務作業の報奨金5万円を所持していましたが、所持金が減るのを嫌い万引きしようと思ったと供述しています。
判 決
主 文
被告人を懲役1年4月に処す。未決勾留日数20日を刑期に算入する。
訴訟費用は被告人に負担させない。
理 由
被告人は、タバコのみお金を支払い他の商品は隠し持って店を出るなど、手慣れた犯行で、また5万円の現金を所持していたに関わらず、お金を惜しんで犯行に及んでいる。
被告人の規範意識が乏しく、被害金額は少ないものの看過できない。
もっとも、被告人が当日訪ねた姉は、結果して被告人を援助する意識はなかった。
更生意欲があることを考慮しても、主文のとおりの量刑となる。
2件目
事件の概要
平成30年12月△日午前11時頃、被告人は住居地近くのスーパーで、カキフライと缶酎ハイ計2点600円を手持ちバックに入れ、レジを通らずに店を出ました。被告人が店を出たところで、商品を手持ちバックに入れるのを見ていた店の保安員が呼び止め、確認したところ、被告人が万引きを認めたため、警察に通報し、被告人は駆け付けた警察官によって窃盗の現行犯で逮捕されました。
被告人は、生活保護を受給して生活していましたが、生活保護費の大半を酒に浪費していましたので、犯行日の数日前には現金がなくなり、水だけで生活していました。犯行当日は水の代わりに喉の渇きをいやす目的で、缶酎ハイを万引きしようと考えました。
被告人には同種の前歴が8件あり、うち6件は実刑判決を受け、刑務所に服役していました。
判 決
主 文
被告人を懲役1年4月に処す。未決勾留日数30日を刑期に算入する。
訴訟費用は被告人に負担させない。
理 由
被告人は、受給した生活保護費の大半を酒に浪費して、金がなくなると万引きをするなどしており、身勝手な犯行で規範意識が乏しい。
被告人が反省をし、出所後はヘルパーの資格を活かして働きたいと更生の意欲を示している。これらの情状を考慮しても、主文のとおりの量刑となる。
裁判の向う側
シニア男性の万引き窃盗2件の判決が続きました。
何れも少額の商品の万引きです。1件目は刑務所から出所した当日の犯行です。2件目は生活保護費を酒で浪費したあげくの犯行です。2件とも、どうにもこうにも救いようのない犯行ですね。
超高齢化社会がすすむ日本の社会のなかでは、今後も被告人たちのような「超底辺」と呼ばれる層が益々増えてくるものと思われます。
現在世の中は人手不足と言われていますが、ハローワークでもシニア層の仕事はそうそうには見つけられません。まして高齢者になるとなおさらです。消費増税も予定されるなか、ただでさえ少なくなる年金収入が目減りしていくのは必至です。
窃盗症(クレプトマニア)ではなくても、万引きを繰り返す人が増えていくのではないかと危惧されます。
真面目に生きてきたシニアや高齢者が安心して生活できる施策を望みます。
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