京都地方裁判所
罪 状 占有離脱物横領罪(置いてあった自転車を黙って拝借)
被告人 40代後半 男性
求 刑 懲役1年
事件の概要
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被告人は40代後半の男性で穴の開いたヨレヨレのTシャツを着て無精ひげを生やし、いかにもプータローという感じの風体です。高齢の父親と2人暮らしとのことです。現在は無職で父親が受けている生活保護で生活しているとのことです。前科は2犯ですが、何れも自転車窃盗でした。
事件は被告人が近くの〇〇モールにぶらっと歩いて行った帰りに、疲れたのでモール近辺に置いてあった他人の自転車に乗って帰宅したというものでした。従って占有離脱物横領罪で起訴されています。これが自転車の鍵を壊して乗って帰ったのであれば窃盗罪で起訴されたのかもしれませんが。(占有離脱物横領と窃盗では罪の重さが大分違うようです。)
被告人質問
(弁護人から)
弁護人
これまでも自転車ばかりだよね。何故自転車ばかりやるの。
これまでも自転車ばかりだよね。何故自転車ばかりやるの。
被告人
自分の計画性の無さでそうなりました。
自分の計画性の無さでそうなりました。
弁護人
自分の自転車をもっていたね。それはどうしたの。
被告人
何台かありますが、自宅のはパンクしてましたので外に放置しました。
何台かありますが、自宅のはパンクしてましたので外に放置しました。
弁護人
生活保護を受けている父親から毎月1万5千円小遣いをもらっているよね。
生活保護を受けている父親から毎月1万5千円小遣いをもらっているよね。
被告人
もらっています。
もらっています。
弁護人
もらっている小遣いで自転車のパンクを直せなかったのか。
被告人
生活保護はそんなにないので、父親に小遣いの追加を言えませんでした。
生活保護はそんなにないので、父親に小遣いの追加を言えませんでした。
弁護人
タバコは吸うの。
被告人
吸います。
吸います。
弁護人
月いくらぐらいタバコを吸っているの。
被告人
月1万円くらいです。
月1万円くらいです。
弁護人
タバコを減らせばパンクは直せるでしょう。
被告人
タバコは減らしたいと思います。
タバコは減らしたいと思います。
(裁判長から)
裁判長
〇〇モールへは行きは歩いたのに、帰りは何故自転車で帰ろうと思ったの。
〇〇モールへは行きは歩いたのに、帰りは何故自転車で帰ろうと思ったの。
被告人
疲れていましたので。
疲れていましたので。
裁判長
疲れていてもダメじゃん。今までに実刑受けているのに。
疲れていてもダメじゃん。今までに実刑受けているのに。
論告求刑
検察官 求刑 懲役1年
裁判の向う側
50才に近いとはいえ、まだ40代。働くことはできるはずです。見えていない事情があるのかも知れませんが、高齢の父親が受けている生活保護に頼らずに、自ら働いて生活するという道を歩んでいってほしいと思います。新聞やテレビでも40代50代のニートの存在が話題になっていますが、その実態を垣間見た思いです。悲しい実態です。
また、タバコ代を月1万円程度使っていると証言していましたが、1日1箱弱程度吸っている計算になります。健康で文化的な最低限度の生活にタバコは必要なのでしょうか。タバコはやめた私としては、タバコをやめれば他のもっと必要なことにお金を回せるよと言いたいです。
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