2019年5月21日火曜日

【裁判傍聴記】自分の判決言い渡しの日に遅刻するかー?

被告人は大阪からのバスツアーで立ち寄ったA市内の宝石店で、店員が見ていないところで、21万8千円の商品を自身のバックに入れて万引きし、警察官に逮捕されました。
判決当日、開廷時刻の10時の10分前には実の娘と孫娘は、法廷の傍聴席に着席していましたが、被告人は遅刻しました。弁護士には「大阪駅で電車を乗り間違えたので30分遅れます」と携帯で連絡していたようです。



罪 状 窃盗罪
被告人 70代前半 女性
求 刑 懲役1年6月 
判 決 懲役1年6月 執行猶予3年


 事件の概要 

平成30年3月×日10時、被告人は大阪からのバスツアーで立ち寄ったA市内の宝石店で、店員が見ていないところで、21万8千円の商品を自身のバックに入れて万引きしました。

宝石店の店員は被告人が注意していたのとは別の角度で被告人を注視しており、商品をバックに入れたことを確認し、被告人がバックの中の商品の支払いをせずに、店を出たところで声を掛けました。

店員は被告人のバックの中の商品を確認して、万引きの現行犯として身柄を確保したうえ、警察に通報しました。被告人は駆け付けた警察官によって、窃盗の疑いで現行犯逮捕されました。店内の防犯カメラにも、被告人が万引きする様子が撮影されていました。

被告人は、大阪市内在住で年金収入で生活していました。

被告人には、前科が1件、前歴が3件あります。

被告人は、逮捕され一時勾留の後、判決言い渡し期日までの間は、保釈され大阪の自宅で生活していました。


 判 決 

主 文
懲役1年6月 執行猶予3年

理 由
犯行態様は悪質で、被害金額も大きい。
しかし、被告人は反省しており被害者と示談している。実の娘が社会での更生を図るため、自らが監督・指導していくと約束している。


 裁判の向う側 

判決当日、開廷時刻の10時の10分前には実の娘と孫娘は、法廷の傍聴席に着席していましたが、被告人は遅刻しました。弁護士には「大阪駅で電車を乗り間違えたので30分遅れます」と携帯で連絡していたようです。

自分の判決言い渡しの日に遅刻するかー?

被告人の実の娘と孫娘は、被告人が開廷時刻になっても現れなのでやきもきしている様子でした。

弁護士から被告人が遅刻するとの申告で、裁判長は開廷時刻を11時50分に変更し、被告人が在廷しているのを確認して判決言い渡しを行いました。

電車を間違えたという理由があるにせよ、自分自身の判決の言い渡しに遅刻するというのは、「裁判所を軽く見ているんじゃないの」と思ってしまいますね。結構派手な格好で入廷されていましたので、よけいにそのように感じたのかも知れません。前科・前歴もあるようですので、今度こそは再犯することの無いよう、懲役になることの無いように祈ります。

孫娘が恥ずかしい思いをしないように、余生を過ごしてほしいとも思いました。

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